ワイヤレス化:電子皮膚パッチで患者をモニター
2018年8月7日
ユーザー移動にフォーカスしたウェアラブル技術製品は多数存在します。1日1万歩の歩行の達成やソファから起き上がってバーチャルリアリティの中で没入型ゲームに興じる等、移動性の実現は繰り返し取り上げられてきたテーマです。そんな中、医療現場における入院患者のモニターほどその目的適合性が高い現場はありません。バイタルサイン等、重要な臨床指標のモニターの伝統的手法の多くは患者に動かないでいることを強いる場合があり、褥瘡・床擦れの形成から入院の長期化に伴う基本的なリスク要因や経済的コストまで、様々な重大な合併症や困難を引き起こしています。
この問題に対するソリューションのひとつは患者が自由に体を動かすことのできる閾値を下げることです。現在、病院内で使用する歩行タイプの患者モニター装置の開発・導入に関わる企業が複数存在します。IDTechExの調査レポート「電子皮膚パッチ2018-2028年」(Electronic Skin Patches 2018-2028)では、ワイヤレスの入院患者モニターに注目し、Sensium、VitalConnect、Isansys Lifecare、Leaf Healthcare等の有名企業の活動・最新情報を紹介し、この分野を取り上げます。また本レポートでは携帯型心電図モニター(携帯型心電図遠隔測定(MCT)、ホルター心電図検査、イベントモニター等)、温度センサー等による発熱検知、その他の皮膚パッチによる歩行可能モニターの医学的応用(術前モニター、臨床試験等)といった関連分野も合わせて取り上げます。
こうしたシステムの導入は低電力センサーの使用、エネルギー貯蔵技術の効率化、正確かつ実践的な信頼できるプラットフォームを提供するためのデータ通信の新基準に依存します。しかし、こうしたオプションの有効性の実証が進む一方、システム導入に伴う現実的な困難も無視できないものがあります。これらの困難にはシステムの実装(時代遅れの指導者の問題を伴う場合が多い)、エラーや不具合の管理、医療スタッフへの教育、患者の同意を得ること等が含まれます。こうした諸問題をクリアし、上述のようなプラットフォームの有効性が実証されていく中で、システムの普及は進んでいくでしょう。
しかしながら、携帯型モニターへの移行というテーマは広範です。この電子皮膚パッチレポートで、IDTechExは電子皮膚パッチの商品化を含む95の異なったケースを調査しました。この調査において多くの企業が適用・技術開発のサイクルをたどり、様々な皮膚パッチによるセンシングプラットフォームの開発や潜在的用途の検討に取り組んでいることが明らかとなりました。これには発汗センシング、モーションセンシング、電極、温度等、様々なヘルスモニターが含まれていました。IDTechExは今回の評価の一環として、各製品の最終用途、デバイスフォームファクター、ターゲット市場のフォーカス等、実用化の進展に貢献できる様々な要素を評価しました。例えば一つの仮説は、実用化の成熟度が高い企業は用途を絞る傾向がある、というものでした。この仮説の評価結果は以下に示す通り、「実用化の進展」と「用途の焦点」に対する定性的評価には比較的弱い正の相関関係が見られました。
Survey results when comparing application focus against commercial progress. For more information about the data or about other questions within the survey contact IDTechEx at research@IDTechEx.com
Source: IDTechEx survey and report on electronic skin patches (www.IDTechEx.com/patches)
このレポートは電子皮膚パッチ製品の商品化についてもっとも信頼のおける見解を提供します。26のアプリケーション分野をカバー、95の異なる商品化ケーススタディ、歴史的市場データ、2028年までの市場予測を含む、最先端商品分野ので最も包括的な調査内容をお届けします。2023年までに年間100億ドル以上、2028年には年間150億ドル市場に達すると予測される電子皮膚パッチ市場の重要なビジネスチャンスについて明らかにしていきます。
さらに詳しくはIDTechExの調査レポート電子皮膚パッチ2018-2028年 をご覧ください。
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Top image credit: John A. Rogers, Northwestern University